消費税原則課税による3種類の計算方法!「全額控除方式」「個別対応方式」「一括比例配分方式」の違い

 4月に入り春の訪れを感じるようになってきましたね。さまざまな出会いが生まれる時期となってきました。

 今年の10月1日から開始となるインボイス制度により、原則課税で消費税の計算を行っている事業者のみなさまは特に影響を大きく受けますね。

 そこで今回のテーマは、消費税原則課税における3種類の計算方法を取り上げます!

. 原則課税による3種類の計算方法

 原則課税の計算方法には「全額控除方式」「個別対応方式」「一括比例配分方式」の3種類の計算方法があります。

 当課税期間における課税売上高が5億円以下、かつ課税売上割合が95%以上のとき、「全額控除方式」となります。

 それ以外の場合には「個別対応方式」「一括比例配分方式」のどちらかの計算方法となります。

2. 「全額控除方式」とは?

 「全額控除方式」は、課税売上に係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除する計算方法です。

 売上等により預かった消費税から、仕入れや経費の支払等で払った消費税を全額控除することができますので、他の2つの計算方法に比べ納税額は少なくなります。

 また、他の2つの計算方法と違い複雑な計算を必要としません。

3. 「個別対応方式」とは?

 「個別対応方式」は、課税仕入れを「課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの」「非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの」「課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの」の3つに区分し、消費税額の控除額を計算する方法です。

 ① 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの:全額控除可

 ② 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの:全額控除不可

 ③ 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの:課税売上割合の分だけ控除可

 売上等により預かった消費税額から控除する消費税額は以下の計算式により計算します。

   仕入控除税額 =①の消費税額 +(③の消費税額 × 課税売上割合 )

 なお、一定の要件を満たす場合は、課税売上割合の代わりに所轄税務署長の承認を受けた課税売上割合に準ずる割合とすることも可能です。

4. 「一括比例配分方式」とは?

 「一括比例配分方式」は、課税売上に係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額に課税売上割合を乗じた金額を控除する計算方法です。

    仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合

 「一括比例配分方式」を選択すると最低2年間継続となります。

 ただし、2年間のうちに全額控除方式による計算ができる場合は全額控除方式により計算します。

5. 「個別対応方式」と「一括比例配分方式」の検討

 当課税期間における課税売上高が5億円超または課税売上割合が95%未満の場合には、

 「個別対応方式」または「一括比例配分方式」のどちらかの計算方法を選択しなければなりません。

 それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。

 個別対応方式

 【メリット】

  ・課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係る消費税額は、預かった消費税から全額控除可能

 【デメリット】

  ・非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係る消費税額は、預かった消費税から全額控除不可

  ・課税仕入れを「課税売上げにのみ要するもの」、「非課税売上げにのみ要するもの」、「課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの」の3つに区分する必要があるため経理処理が難しい

 一括比例配分方式

 【メリット】

  ・非課税売上げをあげるために払った経費等に係る消費税であっても、課税売上割合の分は預かった消費税から控除可能

  ・個別対応方式のように課税仕入れを区分する必要がないため、経理処理が複雑でない

 【デメリット】

  ・選択した年度から2年間継続適用となるため、翌期も含めた個別対応方式との有利判定が必要

 したがって、課税売上割合や、「課税売上げにのみ要するもの」、「非課税売上げにのみ要するもの」、「課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの」の構成比などを総合的に勘案し、どちらの計算方法が有利となるのか判断したうえで計算方法の選択が必要となってきます。

 今回は原則課税の3種類の計算方法について説明しました。

 ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください!

税理士法人 IU Management TEL092-433-8715