税務調査について part2
こんにちは!税理士法人IU Managementです!
梅雨ですね。このジメジメを吹き飛ばす1曲。それではお聞きください C&K「梅雨明け宣言」
前回は税務調査がどのような流れで行われるかのお話でした。
今回は具体的にどのようなことがチェックされるのかを以下6つの区分に分けてお話したいと思います。
1.売上・その他の収入
・計上漏れ(特に現金売上、期末の売上)
現金集金したものを売上に計上し忘れていた。これは現金管理をしっかりしていれば防げると思いますが、集金した現金をうっかり経理担当者に渡し忘れたりしていると漏れることがあります。集金は振込みにするなど、現金取引をできるだけ無くし漏れが無いように気を付けましょう。
決算月翌月の入金が前期の売上の回収でないか確認し、前期末に売上計上されているか確認しましょう。また、売上計上基準が一貫しているかも確認しましょう。期末の売上を出荷基準→検収基準、進行基準→完成基準に変えると売上を計上するタイミングがズレる可能性があります。
建設業に多いのですが、鉄屑や作業屑の売却代金は適正に計上されているでしょうか?従業員や下請け業者が現場からリサイクル業者へ持ち込んだ処分代金が計上されてなかったという経験があります。 取引のあるリサイクル業者から自社の取引履歴を出してもらって正しく収入に計上がされているかを確認してみるのも良いかもしれませんね。
・売上除外(レジ不記載、架空返品など)
調査官は事前に調査対象の企業で商品を購入し、その売上が適正に計上されているかを調査時に調べたりもします。また、使用している口座の情報もある程度把握して来ます。以前調査立ち合いの時に、社長が秘密裏に保有していた口座が調査官の指摘で明るみになったことがあります。その口座にはしっかり売上の入金がありました。隠してもバレますので意図的に売上を抜くことは絶対やめましょう。
2.仕入・外注費
・実態のない又は過大な仕入、外注費
仕入や外注費に対応する売上が計上されているかどうかチェックされます。実態に即して計上されているか確認しましょう。
・期ズレ
次期以降の売上に対応する仕入・外注費が発生している場合、棚卸に適切に計上されているか確認しましょう。
・固定資産、交際費や人件費などの他科目に該当する支出の仕入、外注費処理
他の科目で処理するべきものを仕入や外注費で処理してしまうと、利益や消費税額を少なく申告してしまうことにつながりますので、請求内容に気を付けて適正な科目で処理するようにしましょう。
3.人件費
・役員報酬、事前確定届出給与
法人の場合、役員報酬が定期同額支給になっているか?報酬が変更になっている場合は議事録が作成されているか?事前確定届出給与を支給する場合は、届け出どおりに支給されているか確認しましょう。また、事前確定届出給与を不支給とする場合には、役員給与辞退届出書や臨時株主総会議事録を作成しておくようにしましょう。
・架空人件費(実在しない従業員への給与支払)
従業員名簿やタイムカードで勤務状況を確認されます。給与の計算と支払いが適正にされているか確認しましょう。
・外注費と給与の混同(実態は雇用関係なのに外注扱い)
個人に業務を委託する場合、いくつかの事項を総合勘案して外注費なのか給与なのかを判断します。外注費か給与かによって、消費税の取り扱いが変わったり源泉徴収の義務が発生したりするので気を付けて判断しましょう。
・期末(決算)賞与の未払計上
業績を見て決算賞与の金額を決めたいという話をよく聞きます。しかし、決算賞与を未払計上しその期の経費にするためには、決算日までに支給対象者に支給すること及び支給額を通知し、決算日から1ヶ月以内に通知通りの金額を支給しなければならないとされています。最終利益を予測できる体制を作り、できれば決算日までに支給するようにしましょう。
4.交際費
・私的な支出の混入(家族との飲食費など)
領収書の日付やお店の場所、人数など細かく見られます。私的なものが計上されていないか気を付けましょう。
・名目を変えた仮装(会議費、福利厚生費への付け替え)
交際費以外の科目で処理していても実態が交際費であれば、交際費課税の影響を受けます。正しく判断されているか確認しましょう。
・接待相手の不明確さ(相手先が特定できない)
誰に対しての交際費なのか領収書等に記載するように心がけましょう。得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対するものが交際費です。
5.消費税
・課税、非課税、不課税の区分誤り
課税区分は正しく処理されているか確認しましょう。
・仕入税額控除の不適切な適用
居住用賃貸建物の取得等については仕入税額控除の対象にならないこととなっています。誤って控除していないか確認しましょう。
インボイス制度が始まって、クレジットカード決済した領収書がキチンと保存されているか確認されることが多くなってきました。クレジット利用明細だけでは登録番号や税率等が確認できないため仕入税額控除が出来ないことになります。調査官も指摘しやすい項目になりますので、領収書等は必ず保存するように心がけましょう。
6.印紙税
・課税文書の認識漏れ(請負契約書・領収書など)
契約書等に印紙を貼付し割印が押されているか確認しましょう。
・課税文書の誤認(見積書や注文書が契約書に該当する場合)
覚書など名目が契約書でない場合でも、記載された内容や金額によって印紙税の課税文書に該当する場合があります。
正しく印紙貼付されていない場合、貼るべき印紙の金額の3倍の過怠税を徴収されることになりますので、気を付けましょう。
終わりに
税務調査は会社の健康診断だと思っています。日頃気を付けていれば問題は発見されませんし、もし悪いところが見つかった場合は、今後気を付けて正しい処理を心がけていけば良いと思います。
税務調査の連絡が来た!などお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください!

